日本人の死亡者数を原因別に挙げると、第1位は「がん」、第2位は「虚血性心疾患(心筋梗塞など)」、第3位は「脳卒中」、そして第4位が『肺炎』(全死因の9%)であり、年間10万人もの方が肺炎で亡くなられています。 また特に重症化しやすく、生死に大きくかかわるのは65歳以上の高齢者の方々で、肺炎の死亡者の95%以上を占めています。

肺炎の原因には、細菌やウイルスなど様々な種類がありますが、最も多い原因が「細菌」です。その「細菌」の中での病原菌として第1位(約30%)が、なんと「肺炎球菌」なのです。

1983年に、この肺炎球菌に対するワクチンが米国で初めて開発され、現在米国では65歳以上の人口の約半数が接種を受けており、世界保健機構(WHO) でもワクチン接種は推奨されています。

肺炎球菌による肺炎予防ワクチン(製品名:ニューモバックスNP)について説明すると・・・インフルエンザウイルスにもいろいろな種類があるように肺炎球菌にも多くの種類(80種類以上)があるのですが、そのうちで感染する機会の多いのは23 種類で、肺炎球菌により引き起こされる肺炎の8割を占めています。ニューモバックスNPはこの23の型に対し、免疫をつけることができるように作られており、その免疫は約5年間持続します。

日本でも高齢化が進む中、①肺炎の重症化を防ぐことができる、 ②高齢者の肺炎の入院を減らすことができる、というデータから、積極的に接種が勧められ、2002年頃からようやく普及し始めました。しかし、現在日本の仕組みでは未だ「任意接種」つまり、保険が適応とならない自費接種となっており、料金は7350円とやや高額ですが、重症肺炎になったり入院したりすればその何十倍もかかることを考えると、接種に値するのではないでしょうか。特に①65歳以上のすべての人、 ②65歳未満 でも心臓病、腎臓病、肝臓病、糖尿病、人工透析患者、呼吸器疾患(肺気腫など)等の基礎疾患のある人は感染しやすく、重症化もしやすいという特徴があり、グレース家庭医療クリニックでは、希望する方にこの「肺炎球菌ワクチン(製品名:ニューモバックスNP)」の接種をお勧めしています。

肺炎球菌ワクチン接種後の副反応(副作用)として、注射した場所が少し腫れたり,1-2日微熱が出ることはありますが、いずれも自然軽快し、重篤な副作用は極めて稀です(添付文書)。ぜひ一度、ご検討ください。